名刺管理ではない!人脈管理ソフトがリリース
営業支援システム(SFA/CRM)「NICE営業物語」の開発元であるシステムズナカシマ社が人脈管理ソフトをリリースするという情報が先月、公開されました。
これがその人脈ソフトで、「名刺管理ではなく人脈管理」というキャッチコピーがリリース情報では目立っていました。
まだ正式リリース前(2018年3月2日時点)なので、もしかしたら今後実装されるかもしれませんが、Sansan、Eight、bizcompassにあるような名刺情報の人力登録機能は搭載されていないようです。
では、何がウリなのかというと、入力した名刺情報をもとに人脈相関図を作れるという点のようです。
上図はあくでも筆者の想像なのですが、人脈相関図というとこういうことが出来るのではないでしょうか。
(WEBにも近しいことが書かれています)
相関を示す曲線は太くできたり、細くできることで営業マンが提案の際、顧客内決裁を得るための最速ルートを判断できます。
営業マンのあるあるに「会いやすい人にばかり会う」というのがあります。
訪問件数をKPIに課されていて、とりあえずいつでも会ってくれる顧客に会いに行く、けど、その会える人は実はまったく決裁権を持っていないことはおろか、社内影響力もサッパリないというあるあるです。
営業マンの本来の目的は売上を上げることですが、KPIや訪問目標が設定されるとこのような愚行をおかす営業マンは少なくありません。
有益な訪問を増やすこと
他部署や顧客内キーマンの紹介を得ること
といった目的に置いて人脈相関図は重要だと言えるでしょう。
人脈相関図に必要な機能は?(SFA連携するならとても便利)
人脈相関図が営業ツールとして重要であることは間違いありません。
しかし相関図だけでは不十分とも言えます。
相関図が出来上がり、実際に訪問(商談)を行い、その効果を記入してこそ営業活動の役に立つものになるはずです。
上図は先ほどの人脈相関図に訪問件数や契約件数を追記したものです。
これを見ると、(自分で作っておいて進展の意味がよくわかりませんがw)部長や社長に訪問することが効率的であることがハッキリと分かります。
このように実際の訪問・面談・商談といった営業活動結果とともに人脈相関図を見ることで生産性の高い営業を行うことが可能となります。
またさらに言えば、結果だけでなく、結果をふまえた計画も入力できるとモアベターでしょう。
例を挙げると、上の図で、〇月〇日次回訪問予定といった次回アプローチ予定が入っていると、営業マネージャーは営業マンの活動マネジメントをしやすくなるはずです。
人脈MasterはSFAメーカーであるシステムズナカシマ社のツールなのでNICE営業物語と連携すれば、ここで書いたような内容が実現できるはずですし、当然、同社はそれを視野にいれていると思われます。
また今回は人脈Masterにフォーカスしてしまいましたが、SalesForceAssistant=顧客創造日報(NIコンサルティング社)にもコンタクトマップという人脈相関図機能が搭載されています。
そもそも有効な営業活動において人脈管理は必要なのか
ちゃぶ台を返すような話になりますが、そもそも現代の営業活動において人脈管理は必要なのでしょうか?
個人的には業種や企業ステージによって必要性は分かれるかと考えます。
まずスタートアップ企業にとっては同一顧客の人脈というより、顧客同士の人脈相関図をたどることが重要でしょう。
なぜならWEBなどにマーケティング予算を多く割けないケースが多いため、人脈を辿って販売機会を見つける必要があるからです。
そしてサービス売り切り型の場合は人脈相関図はそれほど重要ではないかもしれません。
サービス売り切り型というのは、既製品製造業のことで、ITメーカーが分かりやすいかと思います。
たとえばグループウェアメーカーであれば、一度契約が取れてしまえば、新製品をリリースしない限り、契約後に何度も訪問する必要がありません。
人脈相関図を作成してもそれほど活用する機会がないのです。
一方でいわゆるルート営業型の会社であれば人脈相関図は大いに役立つでしょう。
ルート営業型の企業は総じて、1社1社への売上依存度が高く、各社での自社シェアを高めることが営業戦略上、とても重要です。
顧客各社の人脈相関図を作成して、人脈を辿って・・・
まだ取引がない部署を開拓する
ポテンシャルはあるものの取引額が小さい部署を攻略する
といった営業活動には今回のツールが適していると言えます。
営業支援システム、SFA、CRM、名刺管理、マーケティングオートメーション、そして人脈管理と営業部門向けに様々なITツールが続々と登場してきています。
大切なことは自社の業種・業態・規模に適したツールを選ぶということです。