セールスフォース(SFA)の導入形態について
ご存知の方も多いかとは思いますが、セールスフォース・営業支援システム(以下SFA)には導入形態が大きく2つ存在します。
1つがクラウド、そしてもう1つはオンプレミス(買取型)です。
今回はこのクラウド、オンプレミスでそれぞれどのようなメリットがあり、またどんなデメリットがあって、導入した企業からはどのような評判なのかをあげてみます。
セールスフォース(SFA)でよく聞く「クラウド」でそもそも何?
SFAをクラウドサービスで利用することのメリットはいくつかあげられますが、まずはそもそも「クラウド」って何なのかから改めて説明しましょう。
上図の通り、SFAメーカーが用意しているデータセンターにSFAがあらかじめインストールされていて、利用企業はIDやパスワードなど基本情報をSFAメーカーと契約の際に提出すれば、専用URLが発行されてそこにアクセスするだけで利用できるというのがクラウドサービスです。
※セールスフォース(SalesCloud)のようにURLはどの会社も共有でID・PASSで利用会社を区分けしているという運用形態はレアなようで、専用のURLを発行しているSFAメーカーがまだ半数以上を占めているようです。
セールスフォース(SFA)のクラウド型のメリット
SFAのクラウドサービスのメリットはいくつか挙げられますが、その最大のメリットは・・・・
お手軽さ
だと私は思います。
システム導入だと以前までは、サーバーを用意したり、インストールをメーカーにお願いしたり、社外からもアクセスできるようセキュアな環境を構築したり、、、、と何かと手間とお金がかかっていました。
上で挙げたような手間がクラウドだと一切かかりません。
あともう1つよく聞くメリットとしてはバージョンアップ対応の手間が要らないことですね。
セールスフォース(SFA)のクラウド型のデメリット
一方で便利ゆえのデメリットがあります。
それはコストと安全性です。
まずコストについてみてみると、普通はサーバーやシステムのおもりをしてもらう担当者を雇用しなければなりませんが、クラウドだとそれらが必要ありません。裏を返せばクラウドサービスの利用料の中に含まれているということになります。
SFAのクラウドはたいていが月額○○円と書かれていて、1人あたりの利用料が数千円以内に収まるので気にならないような金額に見えますが、これが利用人数や利用期間が増えたり延びてくると知らない間に利用企業の負担になってきます。
もう1つの安全性について、こちらが意外と盲点でして、SFAを検討していたり比較されている企業がよくSFAメーカーに・・・・
「御社のクラウド環境(データセンター)はどこに設けているのですか?どこのデータセンターを利用していますか?」
と質問されることがあります。
たいていのメーカーは有名どこのデータセンターを利用していたり、もしくは自社で少なくとも2拠点、多ければ日本東西、さらには海外にまでデータセンターを設けてデータ保管の体制を取っています。
なので何か災害が起こっても、どのメーカーもバックアップは取れているのが普通です。
しかしここはもう1つ突っ込んだ質問をしましょう。
「それでも万が一、データがもし消失してしまった場合にはどうなるのですか!?」
と。
私が数社のSFAメーカーのクラウドサービスの契約書を見た限りでは
『データ消失については責任を負えません、ご了承ください』
的な内容が書かれていました。
要するに万全のバックアップ体制を敷いているから安心して、けど万が一があった時は責任取れないよ。というのがクラウドサービスなのです。
クラウドを利用する≒世界的な天変地異が起こって世の中のデータセンターが壊れてデータがなくなっても自己責任
というのがクラウド利用に伴うリスクであることを皆さん、お気を付けください。
セールスフォース(SFA)のオンプレミス型のメリット
オンプレミス型の特長は何といってもコスト面でしょう。
最初にソフトを買い取る必要があるため、その分、イニシャルコストはかかりますが、長い目でみるとクラウド版を利用するよりもコストメリットが出るはずです。
ただ、コストメリットが何年くらいで出るかは利用人数によります。
少数(20名以下を目途)でご利用の場合は、クラウドの方がコストメリットがあるかもしれません。というのもオンプレミスで導入する場合、自社サーバーが必要となりますが、サーバーは継続利用していくとPCのように劣化していきます。だいたい5~7年を目途に新しいものに買い替えなければなりません。少数利用の場合はこの買い替えサーバー代がかかることでコストメリットを得られない可能性があるからです。
セールスフォース(SFA)のオンプレミス型のデメリット
オンプレミスはSFAメーカーからソフトを買い取って、自社のサーバーにインストールして利用します。そのため、自社のサーバーの安定稼働を見守るシステム担当者が必要になります。このシステム担当者の人件費、さらに外部からSFAを利用したい場合にはセキュリティ環境の構築・維持費用が掛かります。
サーバー管理者が既に社内にいる場合にはデメリットにはなりません。
SFAのクラウドとオンプレミスの簡単比較
では簡単にですが、SFAをクラウドで導入する場合とオンプレミスで導入する場合を比較表としてまとめてみます。
クラウド | オンプレミス | |
初期費用 | 0~5万円 | ・サーバー費用 ・インストール費用 ・ソフトウェア費用 ・セキュリティ環境構築費用 |
ハードウェア費用例 (20人で利用の場合) |
- | サーバー=30~60万円 インストール=10~20万円 ソフトウェア=25~300万円 |
ランニング費用 | 1,000~15,000円(月額・1人あたり) | ・ソフトウェア保守費用 ・サーバー保守費用 |
セキュリティ | 強固 | 環境次第 |
安全面 | 強固 ただし万が一が発生した際の リスクは負わない(ことが多い) |
自社責任 |
操作面 | 同じ | |
カスタマイズ | × | ○ |
データ連携 | △ | ○ |
このようにそれぞれ一長一短がありますので、皆さんの組織規模や組織体制に合わせて、自社に適した導入形態を選んでください!