SFAの活用

eセールスマネージャーとエイトレッドの業務提携にみるSFAの在り方

国産SFAでトップシェアを誇るeセールスマネージャーとエイトレッドが業務提携

国産SFAでトップシェアを誇り、国産SFAでは実績No.1と評判のeセールスマネージャーを提供しているソフトブレーンが、eセールスマネージャーのワークフロー機能強化のために、ワークフロー開発プラットフォーム「ATLED Work Platform」を採用することを発表しました。

エイトレッド社はX-pointというワークフローのソフトウェアを販売しています。
私は過去に提案をうけている企業に同席させてもらい話を聞いたことがありますが、汎用性が高く、ワークフローのパッケージソフトとして当時(6年ほど前)は群を抜いていました。
申請書類の作成、自由度の高い申請ルートの設定はもちろんのことながら、見積書の作成などフォーマット作成も可能なのです。

今回の提携はX-pointではなく、ワークフローシステムが搭載されているクラウドアプリケーションプラットフォームであるATLED Work Platformです。
クラウドのプラットフォームのため、この基盤上にeセールスマネージャーを組み込むことでSFA/CRM機能を利用することはもちろん、プラットフォームに標準搭載されているワークフローシステムを利用することも可能となります。

また同じプラットフォーム上のため、eセールスマネージャーとワークフローを連携させることが出来るのです。

SFAコンシェルジュ
SFAコンシェルジュ
2011年頃はよくワークフローに関する問い合わせをもらったものだ。グループウェアのワークフロー機能がチープで困る・・という企業が多かったな。

SFAとワークフローが連携する必要性

ではなぜセールスフォース・営業支援システム(以下、SFA)がワークフローと連携する必要があるのでしょうか?

営業部門における申請業務を考えてみましょう。
顧客に対して提案を進めると、必ず上司に申請すべきこと・確認を取るプロセスがあります。

それは「見積書」です。

見積を作成して、上司の承認を得て、顧客に提出する

これが一連の見積提出のフローでしょう。

SFAを利用する企業であればさらにこのフローが細かくなって・・・

見込客情報を登録する、商談(案件)情報を登録する、案件情報は状況に応じて都度変更する、Excelで見積を作成する、上司の承認を得る、顧客に提出する、作成した見積(Excel)をSFAの商談情報に添付する、SFAの商談情報に見積提出フラグを立てる

図にまとめましたが、Excelで見積を作っている場合、上司がスマホで見積書を承認することを考えてみます。
・スマホでメールを確認して、添付されている見積書をダウンロードする。
・見積書を開く。どんな商談だったかを確認する場合にはSFAを立ち上げる。
・見積書とSFAを行ったり来たりしながら、見積内容にミスがないかを確認する。
・ミスがなければメールにて承認を送る。
企業によっては電子印影を見積書につけて、部下へ返信する。(スマホでは操作が出来ませんが)

こう見てみるとメチャメチャ大変そうですね^^;

ワークフローシステムがSFAに組み込まれていれば、申請する側も承認する側も手間がかかっている見積業務を簡素化することが可能です。

eセールスマネージャーとエイトレッドの業務提携リリースには具体的な画面遷移はまだ掲載されていませんでしたが、SFA with ワークフローであればこんな感じの業務フローになるでしょう。

営業マンはPC上でExcelを開いたりする必要がなく、何ならスマホで見積が作成できてしまいます。
上司も同様で、スマホ上で承認から電子印影を押すことまでが完結できます。無論、アプリをいくつも立ち上げる必要はありません。

このようにSFAとワークフローが連携することで大幅な手間の削減、さらに見積管理の効率がアップするのです。

SFAコンシェルジュ
SFAコンシェルジュ
eセールスマネージャーとエイトレッドの連携では商談情報が自動的に結びつくのだろうか!?

SFAと他システムの連携

ではSFAが他のシステムと連携する必要性はあるのでしょうか?

今月上旬にSalesforce.com(以下、セールスフォース)とDropboxが業務提携を拡大するというリリースがありました。
以前からセールスフォースにはDropboxは連携、というよりもDropboxがセールスフォース向けのアプリを提供していました。
※Dropbox for Salesforceというアプリ。

ファイル共有機能をセールスフォース上で開発することは可能でしょう。

けれども世の中にはDropboxやGoogleドライブのように既に広く慣れ親しだツールやアプリがあります。
ムリにSFAの機能として追加開発するよりも世間的に認知・利用されているツールを連携利用できることの方がユーザーメリットが多いと私は考えます。

ただし気を付けなければならないのが「連携」という言葉。

SFAの多くにポータル機能がついていますが、ポータルに連携ツールのアイコンを表示させるだけのことを「連携」と呼んでいるSFAも少なくありません。

SFAコンシェルジュ
SFAコンシェルジュ
ID・PASSの入力をしなくても良いシームレスログインを連携と呼んでいるソフトウェアは少なくないぞ!

たとえばファイル管理の場合であれば、社内の誰かが特定の文書を改版などいじって保存した際には特定の社員に通知がポータル上で行われる、といったことまで行われなければ連携とは言えません。
しかしまだまだメーカー間の壁は厚く、不十分な連携を連携と呼んでいるケースがありますのでSFAをご検討の際にはご注意ください。

少し話が逸れましたが、要するにSFAはSFAメーカーのものを、SFA以外の他の機能(ファイル管理やワークフロー、社内チャット、勤怠管理、請求書作成などなど)は専門メーカーのソフトウェアを導入し使うべきです。

1つのソフトウェアに統合することがユーザーにとってベストであることは間違いありませんが、2018年3月現在、国内のソフトウェアメーカーにその力はありません。
※それでも、既製ソフトで連携を望む場合はポータル機能に拡張性のあるもので選んでおくと機能連携において手戻りや選択ミスは少なくなると思われます。
大手メーカーは基本的に拡張性が乏しいと私は捉えていますが、セールスフォースはソフトウェア間の自由度も高いと感じています。また大手より中小のSFAメーカーの方が身動きは軽そうです。