クライアントに対してSFAやCRMをはじめ、社内システム化の提案活動を行っていると
「ウチの社長(部長などマネージャー)は紙じゃないと見てくれないのです・・・・」
という話が割と高確率で出てきます。
社長じゃないにしろ、部署キーマンが紙を愛してやまない的な・・・。
個人的にはこれからの時代、パソコンやスマホを使いこなす能力(リテラシー)は他スキル以上に必要だと思っているのですが、トップや役職者がITはてんでダメというケースは少なくありません。
そこで、そんな会社でも大丈夫!紙(帳票)出力を標準搭載しているSFA/CRMを本日は紹介・比較してまいります。
紙・帳票出力機能が搭載されているSFA/CRM
当サイトの比較表に掲載しているSFA/CRMの帳票出力機能を調べてみたところ、下記の通りとなりました。
標準機能 | カスタマイズ | オプション | |
Ecrea(エクレアラボ社) | ○ | ||
ちきゅう(ジーニー社) | ○ | ||
SlaesForceAssitant(NIコンサルティング社) | △ | ||
Salescloud(セールスフォース・ドットコム社) | ○ | ||
kintone(サイボウズ社) | ○ |
※各メーカーの方へ 掲載内容に誤りがある場合はご指摘くださいませ。
※SalesForceAssistantは見積書のみ標準機能として用意されています。
上表に載せていないSFA/CRMには原則、帳票出力機能が搭載されていないようです。
※もちろんSFA/CRMはシステムなので追加プログラム開発などカスタマイズにより対応することは可能だと思われます。
意外と帳票出力に標準対応している営業支援システムは少ないことがわかりました。
(私の調べ方が悪いのかもしれませんが・・・)
でもよく考えてみれば、パソコンやスマホを覗けばいつでも見ることが出来るのですから、メーカー側からすると、機能として搭載しないことは当たり前といえるかもしれません。
【脱線】SFA/CRMは見積書や受発注書と連携すべきか
ここからは少し脱線して、SFA/CRMと他システムとの連携について考えてみます。
私は仕事柄、
「SFAを見積書や注文書、請求書など販売管理システムを一気通貫で構築したい」
というご相談をよくいただきます。
このご相談に対する私の回答としては
「No」
です。
理由としては次の通りです。
SFAと他システムを連携させるべきでない理由
1.SFAをカスタマイズしなければならない
2.販売管理など他システムもカスタマイズしなければならない
3.注文や請求フロー変更の都度、追加カスタマイズを行わなければならない
4.SFAから必ずしも正しい情報が販売管理に流れていくとは限らない
この4点が主な理由です。
順に説明していきましょう。
まず1と2についてですが、システム連携を図るのであれば当然のことながら連携対象の機能やテーブルをカスタマイズしなければなりません。
販売管理システムとの連携の場合、成約フラグが立っている商談(案件)情報を抽出し、リアルタイムもしくはバッチでSFAから販売管理システムへ流します。
SFA側では販売管理システムへ流し込む情報を
・抽出すること
・データを送付すること
この追加開発が必要になります。
また販売管理システムでは特定の領域にSFAの商談情報を保管させ、それを販売実績データとして読み込むカスタマイズが必要です。
このようなカスタマイズを行えば当然のことながら3が発生します。
そして何よりの懸念は4です。
SFAの得意領域は見込客や見込商談(見込案件)の管理です。
よって未取引先や確定していない商談情報が山ほど入っています。
営業マンの操作1つで、もしかしたら未取引先や進行中の商談データが販売実績として販売管理システムへ流し込まれてしまうのです。
こうなると販売管理システム側で削除の手間が発生します。
システムという特性上、登録以上に削除は手間がかかります。
もしかしたら削除する際に正しいデータを誤って削除してしまうかもしれません。
すると、結局「SFAと販売管理システムは分けた方が良い」ということになります。
もしくは「SFAには確定データのみを入れよう」となってしまい、SFA本来の良さが発揮できなくなるかもしれません。
このような理由からSFAと販売管理システムの連携について、個人的には推奨しておりません。
そもそもカスタマイズ費用が莫大にかかりますし、カスタマイズしてしまったがゆえに保守費用も高くなるはずです。
営業と受発注では業務分野が異なるので、業務分野が異なる場合は(あくまでも2019年現在のテクノロジーレベルでは)分断すべきなのです。
ソフトウェアに業務を合わせる
SFA/CRMや販売管理システム、他にも給与システムや生産管理システムなど、世の中にリリースされているソフトウェアはそれぞれの業務においての理想業務フローを考えて作られています。
もし業務フロー上、欠陥や独自性があると、既製のソフトウェアでは対応できません。
よって上述した業務間の連携ではなく、単一業務に合わせるためにカスタマイズが必要となります。
この手の話は
「弊社の業界は独特である」
「弊社は独自の業務フローである」
という言葉で代替表現され、ソフトウェア提案での反論でよく登場します。
そして、独自フローに対応するためにカスタマイズするというのがメーカーやSierの基本姿勢です。
しかし私はこれには反対派してます。
企業活動とはシンプルにすると
仕入れ(製造)→加工(精算)→販売→請求→納品
このような流れです。
各工程を企業の歴史と文化で複雑化(≒独自化)させているだけです。
一方、ソフトウェアメーカーは理想フローに基づいてシステムを設計・提供しています。
よってソフトウェア側に合わせればもっともっと効率化が図れるはずなのです。
けど、その自信がない場合はシステムに合わせてもいいんじゃないかな?
流石にすべてを合わせろとは言い切ることは出来ません。
とはいえ企業の都合にすべてを合わせるのではなく、ソフトウェア側に歩み寄るスタンスがこれからIT化する場合には必要でしょう。
だいぶ脱線しましたが、紙の帳票出力についても同じようなことが言えるはずです。
もしかしたらSFAを検討・比較している中で、お気に入りのメーカーのソフトでは帳票出力出来ないかもしれません。
けれどもそのような場合に無理にカスタマイズ(追加開発)を依頼するのではなく、
・どうしても紙の出力が必要か
と再度、考え直していただき、どうしても必要な場合は帳票出力を標準機能として搭載しているSFAに照準を切り替えることのほうが正しい選択かもしれません。
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