経営者がSFA(営業支援システム)を活用するシーンとは?
前回「営業マネージャーのセールスフォース活用」をお伝えしました。
第三回(ラスト!)の今回は「経営者・社長のためのセールスフォースを活用」という視点でお送りします。
まず最初に説明しておきますと、ここでいう経営者というのは中小企業の社長をイメージしております。
経営者の仕事は企業規模(年商や従業員規模など)によって異なってきます。大企業だと意思決定が主な役割。中小企業であれば戦略策定や実行面の意思決定だけでなく、自ら実行しなければならない場合があります。
特に営業戦略面においては社長自身が営業最前線に立って、時には見込客と折衝することも少なくありません。
そういった中小企業の社長にとって、営業面でやるべきこと、困っていることは何があるかをまず考えてみます。
- 向こう数か月の売上見込の把握と対策状況
- ビジョン、戦略策定と修正
- 大型商談への同行、重点顧客への訪問
- 営業マネージャーと部下のコミュニケーション状況の把握
- 人材育成
- 部門間調整
- 各施策の意思決定
- Googleで「社名 評判」で悪口が載ってないか調査
- wikipediaに自分の名前が載ってないか調査
- 「社員はわかってない・・・・」と1人晩酌しながら号泣 などなど
このシリーズの恒例とはなりましたが、最後の3つは完全におふざけです<(_ _)>
ではこちらに挙げた経営者の仕事をセールスフォース、営業支援システム(以下、SFA)ではどのように改善することが出来るのかを考えていきます。
SFAで売上見込精度を改善
マネージャー編でも書きましたが、SFAでは売上目標に対しての現状把握が可能です。さらに、今、動かしている商談が決まった場合は売上目標に対して何%達成になるのか、という売上見込管理ができるため・・・・
「売上見込がそもそも少ない。。。何かプロモーション施策をしなければ」とか
「見込商談数は十分にある、これらを一発必中で取れれば目標達成可能だ。営業マネージャーと営業マンが各商談を受注するためにどのような対策を立てているか聞いてみよう」
といった具合に目標達成のために手が打てるようになります。
このようにSFAには
予算対見込商談集計機能
が搭載されています。
私はこの機能のことを「売上見込表」と呼んでいます。売上見込表には自社のプロモーション力と営業力が如実に表れてきます。
つまり、これ1つで「販売・営業」に関する自社の強みや弱みを把握することができます。
重点顧客への訪問≒ルート営業型会社の社長のためのSFA活用
商社や問屋と呼ばれるルート営業型会社では得てして重点顧客がいるものです。
8:2の法則でもよく取り上げられていますが「2割の優良顧客が売上の8割を支えている」といったように2割の重点顧客に依存しているケースがあります。
その2割の重点顧客がいたとした場合、中小企業の社長が時に自ら出向く必要もあるでしょう。
社長が訪問するシーンとしては、いつもの取引のお礼だったり、クレームの謝罪だったり様々だとは思いますが、そこで大切なのは普段、自社の営業マンがその重点顧客とどのような商談をしているかを把握しておくことです。
SFAでは特定顧客の商談をいつでも参照することが出来ます。たとえばその重点顧客が全国にいくつも支店があるようなそれなりの企業だとしても、支店をまたいで商談情報を参照することが出来ますし、特定の支店の商談だけ、重点顧客の特定の担当者(人)との商談情報だけを参照することも可能です。
このようにSFAには
顧客別・担当者別商談情報参照機能
が搭載されています。
顧客別商談参照機能を使って、重点顧客の個別事情をふまえて社長自らが訪問することで「●●社(皆さんの会社のことです)は社長さんもしっかりウチのことを分かってくれてるし、何よりその情報共有体制が素晴らしい。何か問題が起こってもキッチリ対応してくれそう」という印象を残すことが出来ます。
現に私が以前つとめていた会社ではよく売ってくれる代理店さんに社長と年に2回ほど同行訪問していましたが、その時、社長はSFAで商談経緯や売上情報、売上見込情報を参照した上で代理店のキーマンにポイント稼ぎをしてました(^^;
営業マネージャーと営業マンの関係を良好に保つためのSFA活用
SFAには営業マンの商談情報が書き込まれます。そしてその商談情報に対して営業マネージャーがアドバイスや指示を行います。
このマネージャーの指示内容やそれに対する部下の返答を社長は注視しておくべきです。もしマネージャーと部下の関係が悪化している場合には、SFA上のやり取りにも何かしらの違和感が現れるものです。
SFAによってはマネージャーのコメント(指示・アドバイス)だけをピックアップできたりしますので、それを見れば一発ですよね。
このようにSFAには
上司のコメントピックアップ機能
が搭載されています。
会社を構成しているのはオフィスでも製品でもなく「人」です。人と人が相乗効果によってより高い価値を創り出しています。そのため人同士の関係が悪化することはその相乗効果を鈍化させ、企業の成長スピードを遅く、最悪止めることになってしまいます。
これらを予防することにもSFAは一役買うことが出来ます。
SFAはこんな社長にオススメ!
中小企業においてSFAがうまく活用できるかどうかは「社長次第」といっても過言ではありません。
社長自身に積極的にSFAを使おう、活用しようという意志がなければマネージャーや営業マンが活用するには至らないケースを多く見てきました。
よく
「私はITに詳しくないから・・・」
「SFAを導入して見える化できたら社員に嫌われそう・・・」
SFAの評判をもとにこういった話をされる社長がいますが、ちょっとでもそういう想いが頭をよぎった場合はSFAの導入を私はオススメしていません。
結局はがむしゃらになって売上をアップさせたい、という想いが強い会社、そして社長にとっては役に立つシステム、それがSFAなのです。
世間のSFAの評判にまどわされず、データを活用して営業力を高めたいとお考えの社長にとって、SFAは必ずや役立つはずです。
SFA活用について、3回にわたってポジション別に書いてきました。如何でしたでしょうか?
もし社内でSFA導入に反対する人がいる場合に今回の記事をご覧いただくようおすすめください★
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