そもそもどれくらいのメーカーがSFAのクラウド版をリリースしてるの?
私がSFAメーカーに勤めていた時代(遠い目)は、まだ「クラウド」という言葉もなくASPって言葉が徐々に使われるようになってきた頃でした。
その当時のSFA(営業支援システム)やCRM、顧客管理システム、グループウェアはたまた販売管理システムまでもほとんどが買取版(今ではオンプレミスと呼ばれたりもしますね)ばかりで、ASPとよばれるサービス形態でさえ「レア」でした。
がしかし、時代の流れは速いですね・・・。
今や全てのSFA、グループウェア、そして多数の販売管理システムがクラウドにて提供されるようになっています。
そんなクラウド提供されているSFAについて、「価格」という基準で調べてみました。
SFAのクラウド版の価格を比較
商品名 | セールスフォース(SalesCloud) | eセールスマネージャー | 顧客創造日報 | Ecrea | ZOHO CRM | ワンズ営業日報 | Microsoft Dynamics CRM | ネクストSFA | WaWaOffice | KnowledgeSuite | Sansan |
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メーカー名 | セールスフォースドットコム社 | ソフトブレーン社 | NIコンサルティング社 | エクレアラボ社 | ゾーホージャパン社 | ワンズファクトリー社 | マイクロソフト社 | ジオコード社 | アイアットOEC社 | ナレッジスイート社 | Sansan社 |
下位プラン価格(月額) | 3,000円 | ホームページ上に記載なし | 3,500円 | 1,000円 | 1,440円 | 3,600円~ | 5,440円 | 5,000円 | 2,000円 | 38,500円/ユーザー数無制限 ※従量課金 |
980円 |
上位プラン価格(月額) | 15,000円 | ホームページ上に記載なし | 4,700円 | 機能1つ追加につき500円 | 4,200円 | 3,600円~ | 7,070円 | 5,000円 | 2,000円 | 38,500円/ユーザー数無制限 ※従量課金 |
10,000円 |
やっぱりこのテーブルだと分かりづらいのでまとめた画像を貼ります。
こう見てみるとSFAの平均価格は(1あたり月額)3,000円前後というあたりでしょうか。
今後当サイトでも詳しく各パッケージの特徴や評判を述べていきますが、低価格路線のSFAと比較して、価格が高いSFAは「自由度」や「連携」、さらには「多機能」のものが多くありますね。
たとえばお馴染みのセールスフォース(セールスフォースドットコム社)であれば、あらゆるシステム連携や項目作成が実現可能です。またSansan(Sansan社)であれば名刺を人力で入力してくれます。さらには顧客創造日報だと地図連携アプリや電子秘書という機能を有しています。
このように自然の摂理というか商品価格の原則とでもいいましょうか、やはり高価格にはそれなりの理由=付加価値があるものが揃っています。一方で1,000~2,000円のSFAもいくつかあります。ZohoCRM(ゾーホージャパン)社ではデータ件数の制限(100,000件まで)により月額1,440円という低価格での提供を可能としていたり、Ecrea(エクレアラボ社)であれば業界初のコーディネート型SFAと謳っているように必要な機能をオプションとして追加するということで利用企業のSFA利用コストを低減するように促しています。
このようにちょっと前まではクラウド版さえなかったSFAメーカーが当たり前のようにクラウドサービスでSFAを提供していて、尚且つその価格と機能面では多様性が帯びてきています。
SFAは低価格化が進むのか?
ではSFAが今後、競争が激化し、価格面でのつばぜり合いがより増していくのかと問われると筆者としては「No」だと思っています。
SFAはこれまでSFAとはでも書いたように定着させることや活用させることが難しい側面を持ったITツールです。定着のためには売り手、つまりSFAメーカーのサポートが重要になってきます。
メーカーの営業マンのサポートやコンサルタントによる支援が必要になります。そのため、ソフト自体の価格は安いけれども、人(メーカーのコンサルタント)の支援がなんだかんだ高いということがありえます。またその支援費用をソフトの価格に含めるメーカーも出てくるでしょう。
このように考えるとSFAの低価格化が急速に進むことは考えられません。
とはいえ、日本の企業において営業部門のマネジメントや顧客管理の重要性が日に日にましていっているので企業側でSFA導入や推進担当者を設置することも考えられるため、SFAなどITツールで営業部門の活動を分析することが当たり前になる時代が来た日には低価格が一気に進むかもしれません。
CTOやCMOという概念が入りつつある現代、そのうちCSO(Chief SFA Officer)というポジションが出来るかもしれません(笑)
が、2010~2020年代ではまだまだ御用聞き営業など昔ながらの営業スタイルやスタンス、方針が劇的に変わってくるイメージは湧きません。SFAというソフト自体はプログラミング技術が高度になってきたため、システム開発会社が簡単に作れる時代になりつつありますが、SFAの定着や活用のノウハウを持たないSFAメーカーは淘汰される時代であると言えます。
個人的には今、日本国内にあるSFA(営業支援システム)は営業マンの行動管理の側面に特化したものが多いと捉えています。「営業マンの行動管理にウチのSFAはピッタリですよー」と謳うと営業マンから総スカンを喰らうのでどのメーカーも表向きはそのようなメッセージは出していませんが、「営業マネジメントに超便利」とか「営業分析に最適!」というキャッチコピーはその裏返しとも取れます。
そうではなく、営業マンの活動を純粋に支援するSFAが出てくればきっと定着の不安もなくなり、国内のSFA導入が進むことでしょう。って最後はちょっと話が逸れましたね(^^;)