営業生産性とは
働き方改革が何かと話題に上がっていますが、働き方改革の具体的な課題の1つに長時間労働の解消が挙げられています。
会社の同僚や、たまに会う学生時代の同期が
「いやー、今週はずっと終電帰りだよ~」
と睡眠時間が少なく、多忙であることを(暗に)自慢し合ってるシーンを皆さんも見たことがあるのではないでしょうか。
日本ではこのような長時間働くこと=美しい仕事観として捉えられることがこれまではありました。
少し考えればわかりそうなのですが、営業マンが長時間労働を自慢げに話すことって基本的にはダサいはずなのです。※業種などによって非営業マンは長時間労働せざるを得ない場合があるかなとは思っています。
長時間労働営業マン
=効率的に1つの案件をこなせていない
=顧客に振り回されている
=上司を納得させられる成績をあげられていない
=見栄えの良い資料作りに時間がかかっている
=手持ち案件を任せられる部下がいない≒育成が下手
=部下がいない≒会社から認められていない
=無駄な仕事をしている
=先輩や同僚からの依頼を断れない
=商談の報告書作成に手間がかかっている
=会議の資料作成に追われている
パッと思いつくだけでもこれだけ挙がりましたが、どれもダメ営業マンに当てはまるイマイチなものばかりです。
営業マンは本来、顧客の悩みや課題に対して適切な解を提案する役目です。
しかし長時間労働下ではベストな提案をするための考える時間を創出することが出来ません。そうなれば自ずと契約率(受注率)は下がってきて、それに伴い営業成績も下がってしまうことでしょう。
裏を返せば、長時間労働下においても業務スピードと品質が落ちない人は好成績をあげられます。これが出来る人がスーパー営業マンと言われる人たちだと私は考えます。
では営業生産性とは何なのかを次に考えてみます。
営業生産性とは
私は営業生産性を次のように定義しています。
営業生産性 = 成果(売上) / 対顧客時間
分子にあたる成果とは営業で言えば売上です。会社によっては販売点数だったり、新規開拓した顧客(社)数のケースもあるでしょう。
そして分母の対顧客時間というのは顧客に対して活動した時間です。
顧客との商談・面談の時間はもちろんのことながら、顧客に対しての電話やメール、見積書や資料作成の時間も含めます。さらには売上アップのための会議やミーティングの時間も対顧客時間と言えるでしょう。
よって分母を分解すると式はこうなりますね。
営業生産性 = 成果(売上など) / (労働時間 - 非対応顧客業務時間)
または
営業生産性 = 成果(売上など) / (顧客商談時間 + 顧客メール・電話時間 + 顧客提出用資料作成時間 + 会議・社内ミーティング)
この式を見る限り、分子を上げることにどの企業も躍起になっているかと思います。
だがしかし、分母削減の方が短期的に実践できそうではないでしょうか?
営業支援ツール・営業支援システムで生産性向上!?
では具体的にどのようにして分母を減らすかを次に考えて参ります。
顧客商談時間の削減
顧客との商談・面談・打合せ時間を減らすことは難しいことでしょう。
ただし、顧客商談時間をもう少し分解するとヒントが得られるはずです。
顧客商談時間 = 移動(訪問)時間 + 実質商談時間 + 移動(帰社)時間
顧客との商談には前後に移動時間があります。
複数名へのプレゼン、決裁者に対するクロージングといった重要な局面であれば、移動時間を割いて商談する必要があります。
しかし簡単な商品説明や導入してもらった製品の使い勝手の確認であれば、今やWEB会議やチャットを使うことで省略することが可能なはずです。
そのためにはWEB会議システムやチャット機能を有する営業支援システム(SFA)、営業支援ツールが必要となりますが、2018年3月時点でリリースされている営業支援システム群の中に独自のWEB会議システムを有するソフトはありませんでした。
またチャット機能についてはEcreaのみが機能として確認できています。
ただし、セールスフォース(SalesForce)などいくつかの営業支援ツールにはSlackやchatworkと連携できるものがあります。そういったツールを選ぶことで商談時間の削減を図ることが可能になるかもしれません。
顧客メール・電話時間の削減
電話の時間をカットすることは難しいでしょう。メールも同様で、見込客や取引先に失礼のないビジネスマナーを守った文章を考えることは意外なほど時間がかかるものです。
営業支援システム・営業支援ツールにはメール作成をサポートする機能が搭載されているソフトがあります。
Sensesでは顧客に対してメール文を作成する画面において、過去に自社の営業マンが送ったメール文面を参考情報としてポップアップとして表示されます。
※Gmail連携が前提だった気がします。
自社の営業マンが抱えるメールノウハウを営業支援ツールを通じて共有し、より高めていくことが可能となるシカケと言えるでしょう。
また0からメール文を考える必要がなくなるため、メール作成~送信までの時間を大幅に削減することが出来るかもしれません。
顧客に提出する資料作成時間の削減
見積書、商品詳細説明資料、提案書など営業マンが資料作成に費やす時間はとても多いはずです。
見積書をExcelで作成している場合、Excelで見積を作り、メールに添付し上司に申請を出して、上司が内容を確認した上で承認して電子印影を捺印して部下に返信、営業マンはExcelをPDFに変換してお客さんにメールで送信するという手順を踏むことが一般的です。
この手順の場合、スマホやタブレットでは作成が難しく、また承認者は電子印影を押すことも出来ません。またモバイル端末ではメール、Excel、時には商談の内容を部下に聞くために電話までしなければなりません。
このように見積書を作成するという営業プロセスは複雑な工程になっているのです。
営業支援システム(SFA)・営業支援ツールがあれば、システム内で見積の作成と申請、さらには承認から電子印影捺印までが完結できます。
マネージャーはシステムをスマホで開いて承認するだけです。過去の商談経緯が知りたければ、システム内から商談情報を遡って参照することも可能です。
ちなみに見積作成機能を有するSFAは顧客創造日報、Ecreaで確認できています。
営業会議・社内ミーティング時間の削減
営業会議や社内ミーティング(打合せ)の時間もチャットやWEB会議を使うことで、一同に会する≒営業マネージャーおよび営業個々人の時間を抑えてしまうことを防ぐことが出来るでしょう。
それ以前に営業会議で何をしているかが重要でしょう。
既存の商談の商談経緯の確認に時間を割いているのであれば、営業支援システム(SFA)を使って、営業マネージャーが営業マン個々人の商談内容を確認し、適宜指導・指示を行えば会議がそもそも不要となるでしょう。
営業会議やミーティングでよく見受けられるのが営業マネージャー 対 営業マン個人が商談状況を確認し合うシーンです。そして他の営業マンはただただそのやり取りを聞いているというこの時間、全く無駄とは言いませんが、もっと生産的なことにミーティングは使うべきだと私は考えます。
情報共有のためのミーティングであるならばITツールを駆使することで、時間コストを削減できることは皆さんがご存知の通りです。
顧客対応時間(分母)を削減するための具体的な手順
このように営業生産性の分母となる顧客対応時間や営業時間コストは、やり方次第で削減できるのです。
では、実際に削減するための手順を次に考えてみます。
まず自社の営業部門において、顧客商談時間・顧客へのメールや電話時間・顧客提出用資料作成時間・会議やミーティングがそれぞれどのような比率を占めているかを調査しなければなりません。
そして比率が分かったら、削減すべき活動の優先順位をつけます。
ここでポイントは必ずしも最も比率が高い活動から削減するわけではない、という点です。
業種によっては顧客に対して様々な資料を提出することが新規開拓・取引高アップの要因のケースがあったりします。
業界特有の商慣習、そして自社の営業の強みに注意を払って、優先順位をつけましょう。
削減すべき活動が定まったら、具体的な削減方法と手順、そしてスケジュールと削減目標を定めましょう。
このようにして営業時間コストを削減できたら、自ずと営業マンは時間にゆとりが持てるようになります。
そうなれば新規顧客開拓のために時間を割くことが出来るでしょう。
つまり、分母の削減が分子=売上をアップさせることに繋がるのです。
営業活動の比率調査においても営業支援システム(SFA)は必要なITツールと言えます。
SFA未導入の場合はExcelを駆使して計測することが出来ませんが、SFAを使えば、上述してきたようなデータ分析はもちろんのこと、副次的効果として顧客情報を蓄積して、営業活動に再利用することもできます。(分子=売上アップの材料として活用できます)
営業生産性を高めるために、まずは自社の営業部門をデータ化してみましょう。
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