紙の営業日報をつけていた製造業A社
先日、知り合いの製造業の社長と話していたところ
「SFA/CRMを導入したのだが、もっともっともっと早く導入すれば良かった」
とSFA/CRM(以下、SFA)の導入メリットを語りに語ってもらいまくったので、その内容を一部抜粋してお届けします。
製造業A社の概要
大手製造業からの下請けがメインだったA社ですが、4代目となる現社長:田中さん(仮名)が入社してからというもの新規顧客開拓を営業方針に掲げ、製造業の寄り合いや商工会議所の集まりにも積極的に参加するように。
今では製造部を兼任している営業担当が2名。
営業専任が2名という体制。
次にA社の営業戦略について聞いた話をまとめるとこんな感じのようです。
以前までは大手の下請けでしたので、大手の特定部署とはパイプがありました。
よって、特定部署から他部署を紹介してもらい新規案件を獲得するという、既存顧客×新規商品に該当する営業戦略の徹底が最優先課題だったそうです。
そして実際に他部署との名刺交換数をKPIに設定したところ、過去の取引実績により多くの見積依頼を獲得することが出来るようになりました。
このKPIの管理をA社では次のように実施していました。
1:日々の営業活動の内容は紙の営業日報にまとめて田中社長へ提出
2:田中社長が日報からKPIに該当する活動をピックアップしてExcelに転記
3:月次活動目標をExcelで管理
4:日報に対しては別途コメントを入力して、翌営業日に手渡し、個別面談(10分程度)
1・2・3に手間が生じていること、また過去にアプローチした特定部署のキーマン情報が蓄積されていないことから、田中社長はSFAの導入を決断したそうです。
SFA/CRM導入の効果
SFAを導入し、運用し始めたその日から効果があった、と田中社長は仰いました。
まず営業マンが外出先からもスマホで営業日報(商談記録)を記入できることから、情報入力の場所を問わなくなったと。
これまでは営業先から帰社した後に営業マンは1日の商談を日報にまとめて入力していたが、SFA導入後は移動時間の合間を縫って商談内容を入力できるようになったため、帰社後は商談で預かった事案に対する回答や製造部とのミーティングに時間を割けるようになった。
日報入力時間の削減≒商談対策時間の捻出
次に日報から顧客毎や面談者(人)毎に過去の商談経緯を追えるようになり、商談(案件)を見極めやすくなったそうです。
田中社長曰く「SFAの商談経緯情報から取れる取れないの匂いを感じる」とのこと(笑)
受注見込の高い案件の見極め
そして導入1ヶ月後にはExcelで管理していたKPIを全てSFA上で把握できるようになりました。
田中社長がExcelで集計する時間がなくなったことはもちろんのこと、KPI以外の活動量も簡単に測定することが出来るようになったことから、営業マン毎の業務の偏りをタイムリーに視えるようになったことが大きいと田中社長は言います。
手間をかけずにKPIをタイムリーに把握
顧客開拓が進むと、自ずと提案中の案件が増えます。それにより顧客開拓が停滞します。
にもかかわらずKPIを達成するために案件をなおざりにしていた事実が判明したのです。
これまでの紙の営業日報では新規開拓も案件もうまく進んでいるように見えていました。
ところが売上は変動していませんでした。
その原因がKPI達成の営業活動に偏重していたことだったのです。
KPIと案件受注活動の偏りがタイムリーに視えるようになった今、A社ではKPI達成にこだわらせることはせず、状況に応じて田中社長が注力すべき営業活動を指示できるようになっています。
「中小企業では状況にあわせて柔軟に戦略(戦術)を変更しながら営業活動することが重要です。
そして、柔軟な営業活動を実現するためにはITツールという情報網を営業組織に張り巡らせ、視える化しなければなりません。」
と田中社長は言います。
大企業に限らず、中小企業においてもSFA/CRMによって営業を視える化することが、営業効率化のための必須手段と言えるのでしょう。
・紙の営業日報よりもスマホが普及した今、入力は簡単
・紙の営業日報よりもSFAの方が情報蓄積量は圧倒的に多い
・蓄積された情報を再活用できる利便性により営業活動の効率化が図れる